習得STEP
4、正しい敬語の使い方
4.正しい敬語の使い方
みなさんは普段正しい敬語を使って話していますでしょうか。 正しい日本語でなかったり、使い方を間違えていることがあるかも知れません。 友人、知人などには通用していた言葉も、目上の人やお客様、取引先相手に使うと失礼に当たる場合があります。丁寧語、尊敬語、謙譲語を使い分け、相手や場面に応じた敬語を使うことが必要です。例えば、自社の部長が話したことを伝える場合、社内なら、「〇〇部長がおっしゃいました」と尊敬語で話すべきところを、取引先相手に話す場合は「○○が申しておりました」と敬語を省き謙譲語に置き換えなければなりません。この場合「言いました」と丁寧語にもできません。
※ まず「若者敬語、バイト敬語」はNGです。
・ 「名刺のほうをいただけますか」
・「お茶になります」
・ 「五千円からお預かりします」
・ 頻繁に使われる敬語
※頻繁に使われる敬語
動詞 | 尊敬語 目上の人に使う | 謙譲語 自分に使う |
---|---|---|
する 行う | なさる される | させていただく いたす |
言う | おっしゃる 言われる | 申す 申し上げる |
聞く | お聞きになる 聞かれる | うかがう 拝聴する |
行く | いらっしゃる おいでになる | うかがう 参上する 参る |
来る | いらっしゃる おいでになる 見える | 参る |
見る | ご覧になる | 見させていただく 拝見する |
見せる | お見せになる 見せられる | お目にかける |
思う | お思いになる 思召す | 存じる 存じ上げる |
教える | お教えになる | お教えする お教えいたす |
読む | お読みになる 読まれる | 拝読する お読みする |
知っている | ご存じだ 知られる お知りになる | 存じる 承知する |
受ける | お受けになる 受けられる | 拝受する お受けする |
食べる | 召し上がる おあがりになる | いただく 頂戴する |
買う | お求めになる お買いになる | 買わせていただく |
尋ねる | お尋ねになる | うかがう お尋ねする |
いる | いらっしゃる おいでになる | おる |
借りる | お借りになる 借りられる | 拝借する お借りする |
会う | お会いになる 会われる | お目にかかる お会いする |
帰る | お帰りになる | 失礼する おいとまする |
※「させていただく」に関して
「させていただく」が使えるのは、「第三者や相手から許可を受けている場合」と「自分が恩恵を受ける場合」の二つの条件を満たした場合です。
例えば、「本日の会議の開始時刻を変更させていただきます」という文章があります。これは予定を変更するには「相手の許可・了承」が必要で、また変更によって「自分が恩恵を受ける」という意味を持つため、正しい使い方と言えます。 また文章では「いただく」とひらがなで表記します。「頂く」は「食事を頂く」、「プレゼントを頂く」などの、「食べる・飲む」「もらう」の謙譲語として使われます。
※自称と他称の呼び分け方
自分側 | 相手側 |
---|---|
わたくし | 〇〇様 そちら様 |
弊社 当社 わたくしども | 御社 貴社 そちら様 |
上司 担当 社員 | ご上司 ご担当 〇〇様 |
同行の者 | お連れ様 ご同行の方 |
配慮 留意 | ご配慮 ご尽力 |
私見 考え | ご意向 ご意見 |
粗品 寸志 | お品物 ご厚志 結構なお品 |
・間違えやすい敬語表現
自分自身に敬語を使ったり、二重表現をしたりすることです。
「詳細は受付けの者にうかがってください」
「うかがう」は「聞く」の謙譲語で、自分が他人に「聞く」ときに使う。
・「○○工業の小林さんが参られています」
→「○○工業の小林さんがお見えになっています」 「参る」は、「来る」「行く」の謙譲語で、自分や身内の者に行動に対して使う。